この記事では、
「利用者支援の現場での主観的必要と客観的必要の具体例」を考えています。
この具体例は私が実際に経験したものになります。
・障がい者支援(食事支援)での場面です。
利用者支援の現場に当てはめる
「主観的必要と客観的必要」という言葉
この言葉は抽象的な表現になっているため、
「イメージがつかみにくいなぁー」と私は思っています。
利用者支援の現場に数年間入っている私なりに、
この言葉をイメージしやすいように、主観的必要と客観的必要の具体例を考えてみました!!
テキストで定義のおさらい
まず、テキストで定義を確認したいと思います!
社会サービスに対する必要の判定の例
・主観的必要⇒社会サービスを利用する者が自らの感じ方や考え方に基づいて行う場合
・客観的必要⇒第三者によって利用者の意思を超えた客観的な基準に基づいて行われる場合
新・社会福祉士養成講座4「現代社会と福祉第4班」社会福祉士養成講座編集委員会編集 中央法規出版株式会社 p171
主観的必要
・具体例においては、
主観的必要を「利用者さんの訴え」として考えました。
客観的必要
・具体例においては、
客観的必要を「医師の意見」として考えました。
参考テキスト
この記事を作成にするにあたり
こちらのテキストを参考にしました!!
ある日の食事支援の現場にて
ある利用者Kさんは、施設で提供される毎日の食事をとても楽しみにしています。
施設の暮らしのなかでの一番の楽しみが食事といった感じです。
朝食、昼食、夕食の時間は、Kさんにとって、大切な時間となっています。
Kさんは、毎日週間のメニューを眺めています。
そして、明日の献立や明後日の献立を眺めて、自分の好きなメニューがあるかどうか確かめています。
「あしたの夕食のおかずは○○だよ!」などと職員にメニューを教えてくれることもあり、
Kさんとの会話では、食事のメニューの話題がよくあがります。
客観的必要
ただ、Kさんは、やや肥満ぎみな体型です。
年齢も6歳を超えており、加齢により膝の痛みを訴えることもあります。
痛みが強い時は車いすを使用するぐらいです。
そのため、これ以上体重を増やさないよう医師から指示をもらっています。
なので、食事ではカロリー制限がされています。
そのため、摂取できる白米の量やおかずの量には制限があります。
食事制限のない他の利用者さんと比べると、どうしても量が少なくなってしまいます。
主観的必要
ある時、Kさんは言いました。
「ごはんをたくさん食べたい!」これはKさんの希望であり、主観的な必要であると言えます。
しかし、Kさんは健康面から医師から指示があり、食事には制限があります。
なので、施設の職員としては、Kさんの希望通りに提供するのは難しくなります。
専門職の立場からKさんに説明をして、同意をもらい、
客観的な必要としての食事内容での提供となりました。
最後に
支援の現場で、このように「主観的必要」と「客観的必要」の両立が
難しい場合もあると思います
どちらの主張も取り入れたいけど、
片方の意見しか取り入れることができないというジレンマに
遭遇すると本当に悩みます
こちらの記事では
福祉の現場で遭遇してきた倫理的ジレンマについてまとめてみました!
コメント