はじめまして!だいすけです!
このブログにお越し下さりありがとうございます!
倫理的ジレンマとは?定義を確認
まず、
「倫理的ジレンマ」の定義をテキストで確認してみたいと思います。
以下、テキストの引用です。
倫理的ジレンマとは、相反する複数の倫理的根拠が存在しどれも重要だと考えれる場合、ソーシャルワーカーがどうすればよいかと葛藤することである。
「新・社会福祉士養成講座6 相談援助の基盤と専門職 第3版」社会福祉士養成講座編集委員会 編集 中央法規出版株式会社 発行
このように説明されています。
この定義を僭越ながら、私なりに簡単に解釈させて頂くと、
・「A」は重要だし、絶対必要
・「B」も重要だし、絶対必要
という状況で、
「A」か「B」のどちらか一しか選べない
という
いわば「究極の選択」を迫られると言えます
倫理的ジレンマがよく、「正解がない」と言われるのは
このような理由があるからであると思います
倫理的ジレンマは福祉のあらゆる現場にある!
私はこれまで、
・高齢者介護
・障害者支援
の福祉の現場を経験してきました
分野は違いますが、
どちらの現場においても、「倫理的ジレンマ」に直面してきました。
倫理的ジレンマに直面すると、ものすごく悩みます
福祉の仕事をしていると、
「倫理的ジレンマ」に遭遇することはよくあると思います。
僭越ながら、
私が経験してきた倫理的ジレンマをまとめてみます!
過去を振り返りながらまとめてみました!
※以下の事例は、私個人の経験であり、個人の見解も含んでいます。
「こんなことがあるんだなぁ」というぐらいの感じで、ご覧になって頂ければ思います!
少しでも参考になれば嬉しいです!
参考にしたテキスト
今回の倫理的ジレンマの事例をまとめるにあたって、
「新・社会福祉士養成講座6 相談援助の基盤と専門職 第3版」
社会福祉士養成講座編集委員会 編集 中央法規出版株式会社 発行
を参考にさせて頂きました!!
倫理的ジレンマの種類について
上記のテキストでは、
「5つの種類のジレンマ」が解説されています。
・守秘義務と第三者の利益を守る責任
・守秘義務と社会に対する責任
・自己決定とクライアントの保護責任
・クライアントに対する責任と所属組織に対する責任
・同僚に対する責任と専門性への責任
「新・社会福祉士養成講座6 相談援助の基盤と専門職 第3版」社会福祉士養成講座編集委員会 編集 中央法規出版株式会社 発行 より
倫理的ジレンマの事例
では、実際に福祉の現場で私が経験してきた
「倫理的ジレンマ」についてまとめていきたいと思います!
事例1
高齢者介護の現場で感じた倫理的ジレンマの事例
解説
ショーステイに来られて、「家に帰りたい!」と訴えるクライアントの方は、
数多くいらっしゃいました。
中にはショートステイに到着した途端に、「帰る!」とおっしゃる方も。
一人夜勤の時に訴えがあった時は苦労しました
「帰りたい!」というクライアントの気持ちは、最大限尊重したかったと思っています。
ですが、
残念ながら自宅には帰れない事情がある方がほとんどでした。
例えば、独居の方が骨折など怪我をしてしまい、一時的にショートステイを使う場合です。
怪我をした状態での独居生活は、
当然大変リスクがありますよね
怪我がある程度治らなければ、自宅で暮らすのは難しい様なケースがありました。
事例2
解説
「クライアント」と「そのクライアントの家族」の
意見や思いが異なることは、よくあるのではないかと思います。
例えば、クライアントと家族の間で認識が違い、
クライアントは、
「健康であるし一人で何でもできるから、自宅でも大丈夫!」
一方、家族の方は、
「足腰も弱ってきており、転倒が心配。一人で暮らすのは不安だ」
という風に感じているケースがあります。
どちらの意見も尊重すべきであるものの、
両立するのは、大変難しくジレンマであると感じていました
事例3
高齢者介護の現場で感じた倫理的ジレンマの事例
解説
ショートステイで勤務していた時のことです。
あるクライアントは、
「自分の力だけで歩きたい!」という気持ちが非常に強い方でした。
杖や手すりなどに頼らず、自分の力だけで
歩行したいと職員に訴えることが何度もありました
ただ、このクライアントは、
自力で歩行をするには明らかにかなり難しい方でした。
足腰の筋力は弱ってしまっており、立っているだけでも
かなり不安定な状態でした
そのため、このクライアントが安定して歩行をするためには、
職員の介助が必要であり、
長距離の移動であれば、車椅子が必要でした。
クライエントの気持ちを十分に尊重したいのですが、
怪我のリスクも考えなければならず、ジレンマでした。
事例4
解説
上司と部下とで意見が異なるのは、よくあることですよね。
(上司と部下という関係上、上司の意見に対して、反論するのは私には簡単にできません…)
上司には、上司なりの考えがあり、その上での支援方針であると考え、
自分とは違っても、それに従う方が
上司との関係はうまくいくと考えてしまいます。
上司との関係性が悪くなってしまっては、仕事がしずらくなってしまいますから。
と考えてしまいます
事例5
解説
株式会社に勤めていた当時。よく売上を意識していました。
その会社では朝礼において、
・社訓
・経営理念、
・部門別の売上目標
などを全員で復唱するなんてこともしていました。
私は、介護職という立場でした。
そのため、稼働率について特に意識したことはなかったのですが、
当時の相談員が
「今月の稼働率は低いな…」とか
「他の営業所の稼働率は高いな…」
など稼働率に関する発言をよくしていました
稼働率が上がればその分売り上げが増えます。
そして、その売上から自分達の給料が出ているのは、理解していました。
しかし、頑張っても特に給料に反映される訳でもなく、
「仕事を頑張れ!」と言われてもモチベーションは上がらないですよね。
しかし、会社の職員である以上は、会社の方針に従うことが求められます。
ジレンマであると感じていました。
事例6
解説
施設での暮らしの中で楽しみの一つが食事というクライアントさんです。
食事のメニュー表をいつも眺めており、
自分の好きなメニューを探しているようです。
ただ、このクライアントさんは、
肥満体型であり、医師より食事のカロリー制限がされています。
食事が楽しみなのは、職員の側も
十分理解しているものの、健康を考えたら、
何杯もおかわりを出すことが難しい状況です
事例7
解説
自分はやりたかったことはあるんだけど、
上司から別のことをやってほしいと頼まれた場合。
私は上司の方針に従い、自分がやりたかったことは後回しにしてしまいます。
仕事を進めていく上で、やるべきことが複数ある場合は、
優先順位を決めて取り組む必要があると思います。
この優先順位ですが、人それぞれ微妙に異なると思います。
個人の価値観によって、違いが生まれると思いますが、
この違いがジレンマになるのではないかと思います。
事例8
解説
会社で働いていると、もっといい方法があると思うんだけど、
どうしてこんな古い方法で
しかも非効率的なことをやっているんだろうと感じることがあります。
変な伝統ってありませんか?
例えば、
・ペーパーレスにできるのに、紙にこだわる
・情報の所在場所がバラバラで、情報把握に時間がかかる
などなどです。
「もっといい方法があるから、別の方法を試したい!」
と個人的に感じていても、会社のお偉いさんから
「これまでやってきた伝統があるから」など保守的なことを言われてしまえば
こちらとしても強く進言することを躊躇していまいます。
そして、あまり強い態度で臨めば、
上司との関係性にも影響があるかもしれません。
「社会福祉士の倫理綱領」にはこんな条項があります。
社会福祉士には、社会の変化に合わせ、組織の改革を図る責務があります。
しかし、上司との関係性が悪くなってしまっては、
組織の改革はおろか職場の居心地が悪くなる可能性があります。
また、居心地が悪くなってしまえば、社会福祉士として最良の実践ができなくなってしまいます。
ジレンマであると感じています。
事例9
解説
「施設で過ごすより自宅で過ごしたい!」と訴えるクライアントが多いことは常々感じています。
住み慣れた自宅の方がいいと感じるのは、自然なことであり、多くの人がそうであろうと思います。
ただ、クライアントの意向と同時に、
クライアントの家族の意向も考える必要があります。
クライアントの意向が最優先ではありますが、
家族の思いも受け止める立場であると、必ずしも実現できないことがあると思います。
倫理的ジレンマに直面したらどうしたらいいか?
ここまでお読み頂きありがとうございます!
最後に、
このような倫理的ジレンマに直面したらどうしたらいいのか?
について考えてみたいと思います!!
それはズバリ、
です!
その理由を説明させて頂きます!
「社会福祉士の倫理綱領」が参考になる理由
社会福祉士の倫理綱領とは、簡潔に説明させて頂きますと
「社会福祉士の価値観」が示されています
社会福祉士が働いている現場は、事例のように倫理的ジレンマに直面することが日常茶飯事です
その時、どう判断したらいいのか多くの人が非常に迷うと思います
そのような状況において、判断するための何か道筋があれば非常に心強いですよね
「社会福祉士の倫理綱領」はその道筋となります!
判断指針となる機能があるから
では、以下のように非常にわかりやすく解説されています。
倫理基準において、クライエントのみならず、組織・職場や社会に対する倫理責任が示されているように、ソーシャルワーク実践は複数の人々や組織などに責任を負っています。そのため、これらの倫理責任が相反し、どれも重要だと考えられている場合に、社会福祉士はどうすればよいのかと葛藤します。これが倫理的ジレンマです。このような場合の倫理的判断の指針となるのが、倫理綱領です。
「社会福祉士の倫理 倫理綱領実践ガイドブック」
社会福祉士の倫理綱領には、いくつかの機能があり、
その一つが「倫理的ジレンマにおける判断指針」です。
「倫理的ジレンマ」に直面したら参考になる本
書籍で詳しく学んでみたい!!
という方は、
上記でもご紹介した書籍が非常に参考になリます!
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