生活支援員として働く中で、
「仕事を長く続けられないかも・・・」
「ストレスが溜まってしんどい・・・」と感じたことはありませんか?
生活支援員など福祉職の現場はやりがいのある一方で、
精神的・肉体的負担も多く、ストレスを感じやすい職種です。
本記事では、
生活支援員が感じやすいストレスの原因と、
ストレスを軽減する具体的な方法について
現役の生活支援員が解説します。

生活支援員がストレスを抱えやすい理由とは?

生活支援員は、障害のある方の生活全般を支える仕事です。
利用者さんやその家族から「ありがとう」と言ってもらえる場面があるなど
仕事のやりがいを感じる瞬間がある反面、
強度行動障害のある利用者さんの行動が読めなかったり、
人手不足や職場内でのサポート体制が不十分だったりと
ストレスを強く感じる場面も多くあります。
また、施設の特有の文化や独特の慣習がある場合も少なくないため、
利用者支援以外の環境面がストレスの原因となるケースもあります。
これらが重なることで、日々の業務が「ただこなすだけ」になり、
仕事のやりがいすら見失ってしまう人も少なくありません。
介護労働に従事する人のメンタル面を支援する方法を学べます
生活支援員の主なストレスの原因とは?
生活支援員が感じやすいストレスの原因について表にまとめました。
ストレスの原因 | 背景 |
---|---|
人間関係によるストレス | 同僚や上司など他人からの評価が気になってしまう |
利用者対応の難しさによるストレス | 強度行動障害を抱える利用者さんの突発的な行動や意思疎通の難しさ |
低賃金・待遇の悪さによるストレス | 労働に見合わない給与、昇給が見込めない制度 |
シフト勤務による生活リズムの乱れによるストレス | 夜勤や早番・遅番の繰り返しによる睡眠不足や不規則な生活 |
休暇の取りづらさ・人手不足によるストレス | 有給が取りづらい、常に人手不足で休みにくい |
人間関係によるストレスについて
生活支援員の仕事は、職員同士の協力が必須です。
ゆえに、その人間関係がストレスの原因となる人も多くいるのも事実です。
障害者施設の人間関係については下の記事で解説しています。
【参考になる記事をご紹介】
>>「障害者施設の人間関係って大変?」職場のリアルと対策を解説します!
利用者対応の難しさによるストレスについて
支援を行う利用者さんの中には強度行動障害という、
通常の生活を送る上で困難さを抱える方も多くいます。
また、言葉による意思疎通が難しい方もおり、
コミュニケーションに苦労する職員さんも少なくありません。
【参考になる記事をご紹介】
>>【現役職員が解説】障害者施設の職員が抱える悩みとは?よくある悩みとその解決策
>>【強度行動障害支援者養成研修】グループワークで経験したこと
低賃金・待遇の悪さによるストレスについて
低賃金は、福祉業界全体の課題であり、
収益源の大半が補助金という構造的な問題です。
【参考になる記事をご紹介】
>>生活支援員の給料が安い理由とは?年収アップのための具体的な戦略を解説します!
ストレスの具体的な症状と放置のリスクとは?
生活支援員が抱えるストレスは、
身体や心にさまざまな影響を及ぼします。
下記のような症状が現れた場合は、早めの対処が必要です。
心身の症状 | 内容 |
---|---|
心の症状 | イライラ、不安感、無気力、涙もろくなる |
身体の症状 | 頭痛、胃痛、吐き気、動悸、睡眠障害など |
これらを放置すると**うつ病や燃え尽き症候群(バーンアウト)**を引き起こす可能性があり、
退職や離職につながってしまうケースも少なくありません。

私が働いてきた職場においても、支援のストレスや仕事上の悩みが原因で
休職や退職を余儀なくされてしまう職員さんを見てきました
>>燃え尽き症候群(バーンアウト)について詳しく学びたい方へ
今日から実践できる!ストレス対処法5選
ストレスを溜めないには、日頃の対策が重要です。
ストレスを溜めすぎないよう、「自分でできること」に取り組んでみましょう!
① 相談できる人・場を見つける
- 同僚や上司で話しやすい人を一人でも見つける
- 施設外のピアサポートやSNSコミュニティに参加する

誰かに相談してストレスの原因を解消してきましょう!
>>参考になる書籍があります
② セルフケア習慣を取り入れる

- こまめに深呼吸・軽いストレッチをする
- 帰宅後は仕事のことを考えない時間を意識的に作る
- 「愚痴ノート」や「感謝日記」などで感情を外に出す
深呼吸には高いリラックス効果があります。リラックスした状態の呼吸とは、「深く・ゆっくり」になります。反対にストレスにさらされると呼吸は「浅く・速く」なるそうです。
表現をすることでストレスの軽減効果があるそうです。書くだけでなく、口に出してみるのも同じです。溜め込むのでなく、吐き出すのがポイントです。
参考文献
「人生うまくいく人の感情リセット術」
③ 仕事の中で達成感を感じるポイントを見直す
- 小さな「ありがとう」を大切にする
- 昨日より少しでも良くできたことを見つけてみる
- 月1回でも記録を見返して「自分の成長」を感じる
④ 資格取得・研修参加で自信を高める
- 「強度行動障害支援者養成研修」などの受講は視野を広げるきっかけになります
- 自分の知識・スキルを高めることで、支援への不安が減りやすくなります
⑤ 環境を変える選択肢も持っておく
- 人手不足・パワハラ体質の職場では、あなたの心身が先に壊れます
- 同じ福祉職でも「合う職場」「合わない職場」があります
- 転職は逃げではなく、生き延びるための戦略です
書籍から学ぶストレス対処法
ストレスを溜め込みやすい生活支援員のような対人援助職にとっては、
「日常的なセルフケアの工夫」がとても重要です。ここでは、
書籍名:『対人援助職に効くストレスマネジメント:ちょっとしたコツでココロを軽くする10のヒント』
著者:竹田伸也
出版社:中央法規出版
の内容を参考に、
生活支援員が実践しやすいストレス対処法をご紹介します。
1. 人間関係のストレスの対象法とは?

他人の評価を気にしすぎてしまってストレスになっている方に、著者の竹田さんは以下のようなアドバイスを著書で述べています。
・他人の評価が気になったら「それは相手の持ち場」と、他人から悪く思われていると感じたら、「と、私が感がているにすぎない」とつぶやこう。
・挨拶やうなずき程度のことを重ねたり、相手のためにしたい気遣いを行動に表したり、今に集中しよう。
・自分でコントロールできることだけに力を注ぎ、自分の大切にしたい価値を仕事に込めよう。
2. 利用者対応の難しさによるストレスの対処法とは?

利用者の行動が理解できなくて困っている方に向けて、著者の竹田さんは以下のアドバイスを著書で述べています。
・利用者の行動がなぜ起こるかを理解するために、きっかけと結果を観察しよう。
・きっかけを整えて利用者のもっている力を引き出そう。
・結果を変えて利用者の望ましい行動を後押ししよう。
【参考になる記事をご紹介】
>>【強度行動障害支援者養成研修】グループワークで経験したこと
3. シフト勤務による生活リズムの乱れによるストレスの対処法とは?

仕事に追われて疲れが取れない方に向けて、著者の竹田さんは以下のアドバイスを著書で述べています。
・自分の時間をもって好きなことをして、充電レパートリーを広げよう。
・時々、完成度を時間的猶予を元に仕事の優先順位を考えよう。
・自分に合ったリラクセーションで、のんびりスイッチをオンにしよう。
まとめ:参考書籍を味方に、ストレスと上手につき合おう
生活支援員は対人関係のプロフェッショナルである一方、
ついつい自分のケアは後回しにしてはいないでしょうか?
『対人援助職に効くストレスマネジメント』は、
そんな現場で利用者さんのために
奮闘する職員の「頑張りすぎる心」に寄り添ってくれる一冊です。
日々の小さなケアや視点の変化が、
あなたのストレスを軽くし、仕事へのやりがいを取り戻すきっかけになると思います。
最後に:ストレスを抱えすぎないために大切なこと
生活支援員は、責任感が強く「誰かのために働きたい」という気持ちがある人が多い職種です。
しかし、自分の心身のケアを後回しにしてしまうことで、ストレスが限界に達してしまうこともあります。
ポイントは以下の3つです。
- 自分のストレスの「原因」を知ること
- 小さな工夫でストレスを減らす習慣を持つこと
- 我慢しすぎず、必要に応じて環境を変える勇気を持つこと
福祉の現場で長く働き続けるためにも、
「自分を守ること」を最優先に意識してみてください。
コメント